ＮＥＣがスイスの金融ソフト大手アバロク社を買収

日本電気株式会社（ＮＥＣ）はスイスの金融ソフト大手アバクロ社を20.5億スイスフラン（約2,360億円）で買収すると発表。

ＮＥＣは2000年以降、半導体やパソコン、携帯電話、液晶ディスプレーなど不振のハード部門の分離・撤退を進め、ＩＴサービスを軸とする事業構造への変革を進めてきました。そうした取り組みで徐々に業績も上向き、2019年度以降は営業利益も1000億円台に回復を果してきています。



こうした中で世界的に今後の市場拡大が期待できる「デジタルガバメント」「デジタルファイナンス」分野に照準を合わせ、2018年1月にはイギリスのノースゲート社を、2019年2月にはデンマークのＫＭＤ社を、そして今回はスイスのアバクロ社と積極的なＭ＆Ａを進めてグルーバル市場への本格的な進出に舵を切りました。

ＮＥＣでは、今後連携が高まりいずれも高度なセキュリティが求められるデジタルガバメント／デジタルファイナンス分野において、自社の生態認証技術やブロックチェーン技術、ＡＩなどを活用しながらSaaS型モデルをコア事業としてグローバルに展開していく方針を打ち出しています。

かつては「総合電機メーカー」と呼ばれたＮＥＣがＩＴサービス事業へと事業の基盤を転換させてグローバルで事業を展開していく姿は、「モノづくり大国ニッポン」が「デジタルサービス大国ニッポン」へと移り行く象徴にも見え、システム・ソフトウェア業界の新たな成長を示唆していると言えます。

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