脱炭素化と電力業界(1) 火力発電の脱炭素化への道すじ
アメリカ政府が主催する気候サミットで、日本政府は2030年に向けた温暖化ガスの排出削減目標を、2013年度比で46%削減するすると表明しました。
従来は2030年度の削減目標を2013年度比で26%削減としていましたので、それを大幅に前倒しする目標を設定したことになります。
こうした目標を達成するためには、国内の二酸化炭素排出量の40%を占めるエネルギー転換部門(発電部門)の脱炭素化が不可欠であり、中でも総発電量の7割以上を占める火力発電の脱炭素化をどう進めていくかが鍵となります。

火力発電の脱炭素化の実現方法は、大別するとCO2の吸収・処理と燃料自体の脱炭素化に分けられます。
CO2の吸収・処理はCCU(Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれる技術によって、発電所などから排出されたCO2を他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。
CCUは一貫した基礎技術は確立済みであり、日本では北海道・苫小牧で大規模な実証実験にも成功しています。
技術面ではCO2回収率の向上や排出地から貯留置までの長距離輸送技術など「大規模化・普及拡大に向けた技術的課題の克服」と商用化に向けた「コスト低減」が、事業環境としては貯留適地の調査・特定や法律の整備などが今後の課題となります。
一方、燃料自体の脱炭素化で目指すのは、最終的には燃焼してもCO2を排出しない水素・アンモニアなどへの切り替えですが、実際には既存の燃料にそれらを混ぜること(混焼)で段階的にCO2の排出量を削減していくことになります。
また政府は石炭火力発電、LNG火力発電ともに発電技術の高効率化によるCO2排出量の削減を目指しており、事業者に発電効率を43%にするよう求める新基準を設ける方針とのことです。なお、2019年時点で全国にある150基の火力発電所のうち、発電効率が43%以上あるのは2基のみで、政府が求める水準を実現するには巨額の投資が必要になると言われています。
いずれにしても新たに設定された2030年の温暖化ガス削減目標の達成は、技術開発でも資金面でも各社の企業努力だけでは極めて困難であり、官民一体となった取り組みが不可欠となります。
【参考資料】
――――― 業界研究ニュース ―――――
大学1年生・2年生からの就活準備サイト
就活 WINavi(ウイナビ)
従来は2030年度の削減目標を2013年度比で26%削減としていましたので、それを大幅に前倒しする目標を設定したことになります。
こうした目標を達成するためには、国内の二酸化炭素排出量の40%を占めるエネルギー転換部門(発電部門)の脱炭素化が不可欠であり、中でも総発電量の7割以上を占める火力発電の脱炭素化をどう進めていくかが鍵となります。

火力発電の脱炭素化の実現方法は、大別するとCO2の吸収・処理と燃料自体の脱炭素化に分けられます。
CO2の吸収・処理はCCU(Carbon dioxide Capture and Storage)と呼ばれる技術によって、発電所などから排出されたCO2を他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。
CCUは一貫した基礎技術は確立済みであり、日本では北海道・苫小牧で大規模な実証実験にも成功しています。
技術面ではCO2回収率の向上や排出地から貯留置までの長距離輸送技術など「大規模化・普及拡大に向けた技術的課題の克服」と商用化に向けた「コスト低減」が、事業環境としては貯留適地の調査・特定や法律の整備などが今後の課題となります。
一方、燃料自体の脱炭素化で目指すのは、最終的には燃焼してもCO2を排出しない水素・アンモニアなどへの切り替えですが、実際には既存の燃料にそれらを混ぜること(混焼)で段階的にCO2の排出量を削減していくことになります。
また政府は石炭火力発電、LNG火力発電ともに発電技術の高効率化によるCO2排出量の削減を目指しており、事業者に発電効率を43%にするよう求める新基準を設ける方針とのことです。なお、2019年時点で全国にある150基の火力発電所のうち、発電効率が43%以上あるのは2基のみで、政府が求める水準を実現するには巨額の投資が必要になると言われています。
いずれにしても新たに設定された2030年の温暖化ガス削減目標の達成は、技術開発でも資金面でも各社の企業努力だけでは極めて困難であり、官民一体となった取り組みが不可欠となります。
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