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石油化学工業における脱炭素化のチャンスと課題

脱炭素化は、様々な業界で化石エネルギー依存からの脱却に向けた技術的・経済的負担を課す一方で、新たなビジネスチャンスも生み出します。

石油化学工業は、再生可能エネルギーの発電や自動車のEV・FCV化に向けた素材や部材など、脱炭素化によるビジネスチャンスが期待される一方で、多くの製造業のように生産活動で使うエネルギー面だけでなく、原材料自体を化石資源に依存するという点で二重の脱炭素化の課題を負うことになります。


石油化学製品は、太陽光発電では太陽電池にEVA樹脂やフェノール樹脂が、風力発電の風車にはFRPなどが使われています。

また自動車では車体の軽量化にポリプロピレンやポリエチレンが、リチウムイオンバッテリーにはポリエチレンなどが使われています。

住宅やオフィスでも断熱材や樹脂サッシ、遮熱フィルムなどが省エネのために活用され、LED照明にもエポキシ樹脂やシリコーン樹脂、液晶ポリマーなどが使われています。

このように脱炭素化の様々な素材として石油化学製品は使われており、脱炭素化の進展と共に今後もますます市場が拡大していくことが期待できます。

一方、日本におけるCO2総排出量の約4割を占める産業部門の中でも、化学部門は鉄鋼に次ぐCO2排出量となっており、化学部門の脱炭素化推進は日本全体にとっても重要となります。

石油化学工業では製造過程からのCO2排出削減のために、新たな触媒や合成法、膜分離等の新たな分離技術の開発などのプロセスの革新による使用エネルギー量の削減と共に、エネルギー自体を水素や電気に変えていく取り組みがされています。

また、原材料の脱化石資源の取り組みとして、廃プラスチックを再資源化するケミカルリサイクル技術の研究・開発が行われています。ただ、ケミカルリサイクルには大量の水素が必要となり、様々な産業で世界的に需要が高まるカーボンフリー水素の調達や、国内でそれを生産する場合には大量の再生可能エネルギーが必要となります。

このように石油化学工業の脱炭素化は日本全体としての水素や再生可能エネルギーの調達・生産や配分と密接にかかわっており、官民一体となった取り組みが不可欠となります。

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