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進むネット証券の手数料無料化/ 変る証券業のビジネスモデル

アメリカではロビンフッド・マーケッツやチャールズ・シュワブなど、株式の売買手数料を完全無料化している証券会社がありますが、日本でもSBI証券が25歳以下を対象に国内現物株の手数料無料化に踏み切ると、松井証券や岡三オンライン証券がすかさず追随しました。

他にも楽天証券は1日の内で100万円までの売買手数料を現物株・信用取引ともに無料化しており、マネックス証券は投資信託の販売手数料を無料化するなど、ネット証券各社の間で売買手数料無料化の動きが広がってきました。

こうした動きの背景には証券会社のビジネスモデルそのものの変化があり、販売手数料無料化の動きがそうした証券業界の変革に拍車をかけると見られています。


ロビンフッド社の主な収益源は「信用取引の金利収入」※1と「PFOF(payment for order flow)」※2と見られています。またチャールズ・シュワブ社の主な収益源は「預かり資産連動フィー収入」※3と証券顧客を対象にした「銀行業務の金利収入」※4となっており、両社とも販売手数料を無料化してでも多くの顧客を獲得することが収益拡大につながるビジネスモデルとなっています。

チャールズ・シュワブ社のビジネスモデルでもうひとつ特徴的なのが、RIAカストディという事業です。アメリカの金融界ではリーマンショック後にRIA(Registered Investment Adviser)と呼ばれる小規模投資顧問業者が急増しました。

RIAは証券会社とは独立して顧客のために投資顧問業務を行いますが、そのRIAに顧客資産管理・執行・決済といったバックオフィスサービスを提供するのがRIAカストディであり、いわばRIAのための証券業務プラットフォーマービジネスとも言えます。

報道によれば、日本でも野村ホールディングスが地銀3行と共に「個人向けの金融助言会社」の設立を目指しており、顧客の資産運用を中立的な立場から助言してアドバイスフィーを得るビジネスを展開する予定とのことです。

日本とアメリカとでは金融制度が異なる部分もあって日本では実施が困難なビジネスもありますが、日本のリテール証券事業は顧客との利益相反が起きやすい売買手数料ビジネスから、顧客の投資成果を高めるためのフィービジネスへと転換していくことは不可避であると考えられます。

そうしたフィーが「アドバイス料」なのか「投資顧問料」なのか、あるいは「AIアプリの利用料」なのか、さらに「金利収入」や自ら株式や債券などを売買して得る「トレーディング収益」などをどう組み合わせていくか、今後のリテール証券事業はいかに自社の強みを活かして競争力のあるビジネスモデルを構築していくか、その点が勝負の分かれ目になっていくものと考えられます。


※1自己資金を越えた額を投資する場合に投資家が支払う金利
※2 個人投資家から受けた売買注文を執行する権利を、超高速取引を行う高速トレーディング会社に販売して対価を受け取ること
※3 投資一任契約で顧客から預かった資産を運用することで得る手数料
※4 顧客に対する傘下の銀行の業務(各種ローンなど)を通じて得る収益

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