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化石エネルギーからの転換の課題/過渡期におけるエネルギー需給の混乱

世界的に脱炭素化の流れが急速に進む中、エネルギー分野はその最前線と言えます。国連ではグテーレス事務総長が先進国に対し2030年までに電力部門の石炭利用を廃止するよう訴え、EUでは域内で稼働していた火力発電所の6割が2030年までに閉鎖される予定と言います。

国単位で見ても、フランスは2022年までに、イギリス2024年までに石炭火力発電所を全廃すると発表しており、中国でも今後海外で新たな石炭火力発電所を建設しない方針を発表しました。


このように世界の発電分野は化石燃料からクリーンエネルギーへと急速な転換を図ろうとしていますが、その一方でエネルギーの需給状況には大きなひずみも生まれてきています。

急速な石炭火力発電廃止の流れは化石燃料分野への新規投資を難しくさせ、当面の代替エネルギーとなる天然ガスへの需要を急増させるという状況を生み出しています。

さらにコロナ禍の収束に伴う経済活動の再開がエネルギー需要を急回復させ、需給の逼迫をもたらしています。

こうした状況は天然ガスの価格の高騰を招き、石炭不足が電力不足を生みだすなど、経済回復の足かせとなりはじめており、2021年の冬は厳冬も予想されていることから、さらなる電力の需給逼迫も懸念されています。

このような状況はコロナ禍からの回復によるエネルギー需要の急増という一時的な要因もありますが、根本には化石エネルギーから再生可能エネルギーへの転換期において、いかにエネルギーの需給バランスをとっていくかという課題の存在を浮き彫りにさせていると言えます。

こうしたエネルギー転換の過渡期における課題に対しては、日本ではたとえば三井物産が製造時に生じるCO2を回収・貯留(CCS)する「ブルーアンモニア」の製造工場をオーストラリアで建設し、日本に年間100万トン輸出する計画を発表しました。

同様に三菱商事と伊藤忠商事もカナダでそれぞれ100万トン規模のブルーアンモニアの生産を決めています。

今後は2030年以降のカーボンニュートラル社会だけでなく、こうした2030年までのおよそ10年間の移行期に向けた脱炭素ビジネスが、資源・エネルギー業界でも重要性を増していくものと考えられます。

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