WSTSが22年・23年の世界半導体市場予測を下方修正／好況が続いてきた半導体業界に陰り

コロナ禍は「巣籠もり消費」でＰＣ、タブレット、ゲーム機などの需要を拡大させ、企業・学校の「リモート化」はデータ通信量の拡大を生みデータセンター投資を活発化させることで世界の半導体業界は一気に活況を呈しました。

加えて、コロナ禍からの製造業の回復による半導体需要の急回復と物流機能の混乱は世界の製造業全体に深刻な半導体不足をもたらし、半導体市況は長期的な逼迫状況が続くこととなり、半導体業界は2020年以降好況が続いてきました。


しかし、世界が「Withコロナ」社会へと移行するに伴ってＰＣやゲーム機、スマホなど向けの半導体需要は減少し、物流の混乱も収まってくるに従い様々な分野の製造業で半導体の在庫調整が進み始めてきました。

こうした市場の変化は、半導体市場に関する世界的統計機関「WSTS（WORLD SEMICONDUCTOR TRADE STATISTICS）」が、2022年6月に発表した2022年・23年の世界半導体市場予測を、同年8月にそれぞれ前年比16.3%増から13.9%増へ、5.1％増から4.6%増へと下方修正したところにも表れています。

日本は半導体業界の中でも「半導体製造装置分野」で世界市場をリードしていますが、半導体需要の減少で真っ先に影響を受けるのは設備投資の抑制が直接影響する半導体製造装置分野であり、早ければ2024年卒の新卒採用市場から日本の半導体業界には陰りが見え始めることも考えられます。

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